さあ、人生の一大事だ！

それは、突然に訪れた。

今日は例の彼女に会うんだ。


何を話そう。何でも話してしまいたい。
でも何も話せないかも知れない。

ああ、なにもかんがえられない。


でも、ひとつだけ、決めていた事がある。
ずっと前から決めていた。
それは、呼び名を変える事。


友達の車を借りて、私が運転手。
彼女とは一番最後に合流した。

目が合う。彼女はちょっと困った顔をして笑った。
きっと私も同じ顔だったろう。

……そして、最高の笑顔になった。お互いに！


ぎゅうぎゅうづめのドライブは遠足みたいですごく楽しい。
車内ではすんなり会話が弾む。
この場に居る誰も、私達二人にブランクがあった何て言っても信じないだろう。


友達のバイクもすんなり決まり、帰りは祝杯をあげる事に。勿論！友達のオゴリでね☆
その前に、車を親に返さないといけないというので、一旦私の家に寄り、私の車を出してそっちに移ろうという事になった。
最初の車は友達の家まで運ばないといけないので、そこまではニ台で。

そこでちょうど、彼女と二人っきりになれた。
友達の家まで20分の道中、話せる時間が持てた。…何て最高のシチュエーションなんだろう！

あれからの事
そして今の事
お互いがお互いの事を思っていた。
想うのではなく、思う。

予感は本当だった。
今年いっぱいで今の職を辞める事。
彼女は彼女のやりたい事を見つけていた。
学校へ通おうとしている事。
同時にバイトとしてその職種で一から学びたいと。
その為に引っ越しを計画している事。

仕事を辞め、この土地を離れたら、もう私との繋がりは全てなくなってしまう、
これが最後のチャンスだったと思っていた事。

時間が人を変える。
あの頃の、未来に不安を感じ、迷い、そしてそこから逃げ出す事もできずに居た彼女とは変わっていて、今、あの頃とは違う輝きを持った魅力的なひとになっていた。


そして、あの頃彼女に抱いていた純粋な気持と、まっすぐな行動はちゃんと彼女に伝わっていた。

全ては繋がりあっていて、そして全ては自分に還る。

そこに残ったのは、あの時よりも強い絆。

もう迷わない。あなたの影に捕まらないよ。


リスタート。
彼女は私のベストフレンドだ。

最後、みんなをそれぞれ送っていった帰り道。
彼女と、友達と知り合った職場の前を通った。

その時、いつもと違う感情が私に湧いた。
それは文字では上手く表現できないけれども。
私の中で、その職場が「終わった」事が分かったんだ。

前の呼び名の彼女と、今の呼び名の彼女は同じだけど別のひと。

全てが「過去」になったんだ。


今日は最高で最良の日。

これでやっと私は進める。